この名曲の詩を手掛けた阿久悠は、単なる追悼ソングや感傷的な挽歌を書くことを固く拒んだ。彼が目指したのは、ひとつの壮大な人生を誇り高く讃え上げる賛歌だった。石原裕次郎という類まれな人間が歩んできた波乱万丈の足跡、その輝きと影のすべてを直視し、死の影を振り払うかのような力強い言葉を選び抜いたのだ。
歌詞の中に流れるのは、悲愴感ではなく澄み渡る開放感である。「我が人生に悔いなし」と謳い切る潔さは、阿久悠が裕次郎という不世出のスターに贈った最大の敬意であり、人生の土壇場に立つ人間が到達し得る精神的真骨頂でもあった。制作にあたり、阿久は一文字一文字に自らの生命力すら注ぎ込むような推敲を重ねたという。