本作の凄みは、アタルと共に命懸けの逃避行を繰り広げる共演陣の豪華さにもある。当時、彗星のごとく現れ若手実力派として注目を集め始めていた菅田将暉や、抜群の安定感で作品の骨組みを支えた塚本高史など、現在のエンタメ界を牽引する名優たちが集結していた。
実際のロケーション撮影は壮絶を極めた。真冬の過酷な屋外ロケや長時間の走行シーンが続く中、主演の市原隼人を中心にキャスト同士は文字通り「生死を共にする仲間」としての結束を深めていったという。特に菅田将暉が演じた無邪気で心優しい加賀美瞬と、塚本高史が演じた元ヤクザで情に厚い河島龍之介の対比は鮮烈で、緊迫した展開の中に確かな温もりを与えていた。現場で生まれた本物の絆が、画面越しにも熱量として溢れ出ていたという制作裏話は、ファンの間でも語り草となっている。