市原隼人の芸能界入りのきっかけは、小学5年生の時に東京・渋谷で受けたスカウトでした。当時の関係者の目を一瞬で奪ったルックスは、すでに群を抜いた輝きを放っていました。日清食品「スパ王」のCMなどで初期の露出を重ね、2001年に14歳で映画初主演を飾った作品が、岩井俊二監督の名作『リリイ・シュシュのすべて』です。
田園風景の中でヘッドホンを装着し、独特の浮遊感と思春期の痛々しい孤独を抱えた少年・蓮見雄介役を演じた当時の市原隼人は、透き通るような白い肌と憂いを帯びた瞳が印象的でした。荒削りながらも観る者の胸を締め付ける圧倒的な映像美の中で、彼の放つ中性的な儚さは映画ファンの間で「邦画史に残る美少年」として今なお語り継がれる伝説となっています。