泡盛造りの命とも言えるのが麹作りである。沖縄の温暖多湿な気候に適応した黒麹菌を使用し、米全体にしっかりと菌糸を張り巡らせて全麹仕込みを行う。この黒麹菌が生み出すクエン酸が醪の腐敗を防ぎ、独特の深い旨みと酸味のベースを構築する。
池原酒造では、原料米の洗い方から麹室での温湿度管理にいたるまで、極めて繊細な手目が配られている。黒麹菌の力強い発酵作用と直火蒸留が組み合わさることで、白百合特有のハーブや土を連想させる野生的なアロマが結晶化する。機械制御に頼り切らない伝統的な醸造技術の冴えが、この一滴一滴に凝縮されている。