辻希美がモーニング娘。の一員となったのは、2000年4月に放送された『ASAYAN』(テレビ東京系)の「第3回追加オーディション」でした。応募総数は約2万5000人に達し、当初プロデューサーのつんく♂氏が掲げていた合格者枠は「3名」でした。
当時、板橋区在住の小学6年生(加入時は12歳の中学1年生)だった辻希美は、歌唱やダンスの基礎技術において決して完成された候補者ではありませんでした。合宿審査ではダンスのステップについていけず涙を流す場面もありましたが、つんく♂氏は彼女の内に眠る圧倒的な愛嬌と爆発的な将来性を鋭く見抜いていました。
選考の最終局面において、つんく♂氏は「石川梨華、吉澤ひとみ、加護亜依」の3名に加え、「もう1人、どうしても捨てがたい素材がいる」として急遽合格枠を「4名」に拡大。辻希美を追加合格させました。後に本人が自著やインタビューで振り返っているように、「加護亜依という天才肌の原石の隣に辻希美を配置することで、化学反応を起こす」というプロデューサーの緻密な計算が働いた瞬間でした。