華やかなスポットライトを浴びる一方で、ブレイクまでの道のりは決して平坦ではなかった。早稲田大学中退後、演劇研究所で芝居の基礎を叩き込み、アメリカ・演劇留学へ。帰国後もすぐに芽が出たわけではなく、長い下積み生活を経験している。
当時のオーディションでは落選が続き、生活のためにアルバイトを掛け持ちする日々。しかし、海外で触れた本場のメソッド演技や、舞台で培った確かな発声と身体表現は、確実に彼の中に蓄積されていた。
30代半ばにして掴んだ大ブレイク。画面越しに見せるあの余裕に満ちた微笑みは、挫折と孤独を味わい尽くした男だけが醸し出せる、本物の陰影に裏打ちされていたのだ。