本作を語る上で外せないのが、主演の松本潤さんと石原さとみさんが織りなす官能的かつ切ないラブシーンの数々です。特に爽太の妄想シーンや、中盤以降の工房・ベッドルームでの情熱的なキスシーンは、光と影を巧みに使った映像美と相まって、視聴者を釘付けにしました。
これらのシーンは単なるラブストーリーの刺激にとどまらず、「届きそうで届かない片想いの苦しみ」と「禁断の境界線を越えてしまう切なさ」を視覚的に表現した傑作描写として語られています。
一方で、ドラマ版と水城せとな氏による原作漫画の結末の違いについても、多くの議論が交わされてきました。ドラマ放送時は原作がまだ連載中だったため、ドラマ版独自のエンディングが用意されました。
ドラマ版では、さえこさんが夫の元へ戻る決断を下し、爽太は「失恋」を本当の意味で受け入れることでショコラティエとして前を向いてパリへ旅立ちます。一方、後に完結した原作漫画では、登場人物たちの感情の機微がさらに深く、生々しいリアリズムとともに描き切られました。どちらの結末も「甘いファンタジーで終わらせず、現実の人生を選び取る人間の逞しさ」を描いた点で見事な余韻を残しています。