メガヒット作『ドクターX〜外科医・大門未知子〜』に代表される医療ドラマのフィールドでも、中林は異彩を放ってきた。権力闘争が渦巻く大学病院という閉鎖空間において、組織の論理に翻弄される若手医師の苦悩や葛藤を、誇張なくリアルな質感で表現した。
医療現場の専門用語が飛び交うタイトな台本にあっても、彼のセリフ回しには嘘がない。徹底した事前準備と現場観察に基づいた所作の美しさは、群像劇のアンサンブルを支える強固な柱となっていた。どんなに派手な主役が中央に立とうとも、中林がサイドを固めることで、フィクションの世界に現実の重力が宿る。