一方、日曜劇場の枠で大きな話題を呼んだのがTBSテレビ制作の『ラストマン-全盲の捜査官』だ。福山雅治が演じたFBI捜査官・皆実広見は、全盲でありながら鋭い分析力と圧倒的な交渉術を武器に難事件を次々と解決していく。従来の「守られる対象」というステレオタイプを真っ向から打ち破る、圧倒的に強烈なヒーロー像の提示であった。
作品の魅力を加速させたのは、痛快な事件解決の裏に潜む重厚なテーマ性だ。職場での合理的配慮やアクセシビリティの確保といった現代的な課題をエンターテインメントの枠組みの中に自然に織り込み、質の高い社会派ドラマとしての深みをも獲得した。主演の福山雅治が見せた軽やかで堂々たる立ち振る舞いは、視覚障害に対する社会のパブリックイメージを書き換えるほどのインパクトを残している。