本場ニューヨークのエンターテインメント界において、アジア人パフォーマーが主役級のスポットライトを浴びるハードルは極めて高い。その厚い壁を、彼は類まれな身体性としなやかな感性で打ち破った。世界屈指のマジック・スペクタクルショー『The Illusionists』への出演は、まさにその象徴的なマイルストーンだ。ブロードウェイの歴史あるパレス劇場に立ち、言葉の壁を軽々と超えるフィジカルシアターの手法で満員の観客を総立ちにさせた。
さらに名作ミュージカル『RENT』で演じたエンジェル役では、その卓越したダンススキルのみならず、魂を震わせるエモーショナルな表現力で批評家たちを唸らせた。ストリートダンスの鋭利さとコンテンポラリー・ダンスの抽象性を自在に行き来する彼のムーヴメントは、ブロードウェイの肥えた観客の網膜に鮮烈な残像を焼き付けたのである。