看板を出さず、誰にでも開かれているわけではない。だが、ひとたび足を踏み入れれば、そこには一切の肩書や虚飾が通用しない剥き出しの人間関係が広がっている。CASBAを伝説たらしめているのは、豪華な内装でも高価な酒でもなく、オーナーである増田令子自身の強烈な人間力だ。
媚びない。だが誰よりも温かい。彼女の放つ痛快な毒舌と深い愛情は、過酷なクリエイティブの最前線で神経をすり減らすトップランナーたちにとって、唯一無二の解毒剤となってきた。セレブリティがスマートフォンを取り出して自撮りに興じることなど許されない。そこにあるのは、純粋な言葉の応酬と、夜の熱狂だけだ。