2026年に始まった四季折々の「Secret Lair x Hatsune Miku」プロジェクト。当時、従来のMTGファンからは「世界観が合わないのではないか」という懸念の声も少なからず上がっていた。しかし、蓋を開けてみれば第一弾の予約開始と同時に公式サイトのサーバーがダウンする事態が発生。全世界のTCGファンとボーカロイドファンが同じオンラインストアに殺到したのだ。
勝因の根底にあったのは、単なるイラストの貼り替えにとどまらない「圧倒的な愛とリスペクト」だ。ウィザーズ・オブ・ザ・コースト社は、初音ミクの楽曲世界やイメージを、MTGの象徴的なカードメカニズムへと緻密に翻訳してみせた。《歌う婦人、ユウコウ》や《チャンドラ》といった既存の強力なカードが、ミクの歌声やライブの熱気を宿した完全新規描き下ろしアートとして生まれ変わった時、プレイヤーたちは歓喜した。異なる二つのサブカルチャーが真正面から共鳴した瞬間だった。