長年にわたりトップを独走してきたイタリアは、登録総数が60件の大台に達した。国土全域に中世の街並みやルネサンスの傑作が点在し、まさに国全体が野外博物館の様相を呈している。対する中国は59件で2位につけており、その差はわずか1件。広大な版図に眠る悠久の歴史的建造物と、スケールの大きな手つかずの自然を武器に、猛烈な勢いで登録数を積み増してきた。
この2強に続くのが、50件台前半でしのぎを削るドイツ、フランス、スペインの欧州勢だ。内訳を詳細に見ると、イタリアや欧州諸国が圧倒的に世界文化遺産に偏っているのに対し、中国は雄大な生態系を誇る世界自然遺産や複合遺産でも高い比率を誇る。圧倒的な密度か、それともスケールの多様性か。この性質の違いが、毎年の審議における激しいデッドヒートをよりスリリングなものに仕立て上げている。