彼女の原点を語る上で外せないのが、ファッションモデル業界で培われた唯一無二の表現力だ。モード誌のカバーを飾り、国内外のトップデザイナーのランウェイを歩く中で磨かれたのは、身体の角度ひとつ、視線の揺らぎひとつで物語を雄弁に語る技術だった。
衣服の魅力を最大限に引き出す肉体言語は、芝居の世界へ進出するにあたって強烈な武器へと進化した。余計な説明を排し、ただそこに佇むだけで劇的なシーンを成立させてしまう説得力。モデル出身の役者にありがちな先入観を、彼女は最初のワンシーンで粉々に打ち砕いてみせた。服を着こなすように役柄の人生をまとい、ランウェイを歩くようにスクリーンを闊歩する。その華麗な越境劇は、クリエイターたちに無限のインスピレーションを与え続けている。