カタールの圧倒的な経済力を支えているのが、世界屈指の埋蔵量を誇るエネルギー産業です。北部沖合に広がる「ノース・フィールド」ガス田の開発により、同国は世界最大級のLNG(液化天然ガス)輸出国へと駆け上がりました。
化石燃料から脱炭素への移行期において、石炭や石油に比べてCO2排出量が少ない天然ガスの需要は依然として高く、アジアや欧州諸国にとってカタール産LNGはエネルギー安全保障の生命線となっています。日本にとっても長年にわたる重要供給国の一つです。
国営エネルギー企業「カタールエナジー」は現在、ノース・フィールドの大規模拡張プロジェクトを推し進めており、生産能力を飛躍的に引き上げる計画です。このエネルギー収益が政府系ファンド(QIA)を通じて世界中の不動産、金融、ハイテク産業へと再投資され、国家の強固な財政基盤を形作っています。