油性マジックがついたことに気づかず、そのまま洗濯機で洗って天日干しや乾燥機にかけてしまった場合、熱と乾燥によって樹脂が完全に焼き付いたような状態になっています。多くの人が「一度洗ってしまったら終わり」と諦めますが、段階的な複合洗浄を行うことで救出できる余地は残されています。
油性ペン洗濯後落とし方の決定版は、溶剤による油分分解と、弱アルカリ性石鹸による物理的かき出し、そして酸素の力による色素分解をリレー形式で行うアプローチです。
- 第1段階(皮膜の再軟化):まずクレンジングオイルまたはエタノールを染み部分にしっかりと浸透させ、固化した油分と樹脂を緩めます。ぬるま湯ですすいだ後、まだ黒ずみが残っている状態で第2段階へ移行します。
- 第2段階(微粒子の掻き出し):ここで登場するのが、部分洗いの定番である服の油性マジックウタマロ石鹸です。ウタマロ石鹸は弱アルカリ性で適度な硬度を持ち、繊維の奥に入り込んだ顔料の粒子を包み込んで引き離す力に長けています。汚れた部分をぬるま湯で湿らせ、石鹸を直接塗りつけます。生地を傷めない程度の力加減で、指の腹を使って円を描くように優しく揉み洗いしてください。
- 第3段階(浸け置き酸化分解):石鹸を一度すすいだ後、残った薄い色素の影を消し去るために油性ペン服酸素系漂白剤(粉末タイプの過炭酸ナトリウム推奨)を使用します。40℃〜50℃の少し熱めのお湯に規定量の酸素系漂白剤を溶かし、30分から最長2時間浸け置きします。液体タイプよりも粉末タイプの方がアルカリ度が高く、強固な色素結合を分解する漂白力が圧倒的です。
この3ステップを経ることで、単独の洗剤では落とせなかった「洗濯後の定着染み」も劇的に薄く均一化させることが可能です。