トマトを口にした直後、数分以内に現れる口腔内のピリピリ感や腫れ、イガイガとした不快感。これらは典型的な口腔アレルギー症候群(OAS)の初期サインだ。消化器症状や皮膚の蕁麻疹へと進展する前段階として、口膜粘膜で局所的なアレルギー反応が勃発している。
最大の背景にあるのが、植物花粉との交差反応だ。スギ花粉症やシラカンバ花粉症に長年悩まされている人は、花粉のアレルゲン構造と酷似したタンパク質を含むトマトに対して、免疫細胞が誤認攻撃を仕掛けてしまう。春先の鼻炎持ちが初夏に生トマトを食べて急に口内が痒くなるのは、偶然ではなく免疫の交差エラーによる必然といえる。