世帯年収800万の住宅ローン適正額|5000万借入の盲点と破綻リスクの重要ポイントをご紹介します。専門的な知識がチェックできます。

日本銀行の金融政策正常化に伴い、長期金利だけでなく短期プライムレートに連動する変動金利の基準金利にも見直しの波が押し寄せています。これまで0.3%〜0.4%台の超低水準を競い合っていたネット銀行各社の変動金利も引き上げ傾向が鮮明になり、優遇幅を考慮しても借入金利は0.6%〜0.8%台へと推移しています。固定金利に至っては2%前後の水準が定着しつつあり、過去10年間の「超低金利前提の返済計画」は完全に通用しなくなりました。

ここでまず直視しなければならないのが、額面年収と手取り額のギャップです。世帯年収800万の手取りと月々の返済比率を算出する際、額面800万円をベースに計算すると致命的な計算狂いが生じます。税金や社会保険料が差し引かれた後の年間手取り額は、以下の通り稼ぎ方によって大きく異なります。

  • 夫(または妻)の単独年収800万円の場合:所得税の累進課税や配偶者控除の縮小により、年間手取り額は約580万〜600万円(月額手取り換算で約38万〜40万円+ボーナス)。
  • 夫婦合算で800万円(夫500万・妻300万など)の場合:基礎控除や税率の分散が働くため、年間手取り額は約620万〜640万円(月額手取り換算で約42万〜44万円+ボーナス)。

額面800万円であっても、毎月確実に使える手取り額は約40万円前後に過ぎません。金融機関が設定する「返済負担率30%〜35%(額面基準)」を鵜呑みにして年間240万〜280万円(月額20万〜23万円)の返済を組めば、毎月の手取りの50%以上が住宅ローン返済へ消え去り、生活維持すら困難な状況へ追い込まれます。