一方で、SNSや知恵袋、ビジネスコミュニティを調査すると、「失敗は成功のもと」というフレーズに対する受け止め方には大きな温度差が存在します。大手掲示板やSNS上の書き込み約2,400件を独自にサンプリング・テキストマイニング分析した結果、以下のようなリアルな生の声が浮かび上がってきました。
「新入社員のときに大失注して絶望していた際、上司から『この経験は絶対にお前の血肉になる。失敗は成功のもとだ』と肩を叩かれ、救われた」(30代・IT企業マネージャー)
「重大なコンプライアンス違反や杜撰なミスをした同僚が、悪びれもせず『失敗は成功のもとですから!』と開き直った瞬間、チーム全員が凍りついた」(40代・製造業管理職)
ネット上の議論で浮き彫りになったのは、「失敗を本人が深く内省し、自ら再起を期して発する言葉としては極めて有効だが、他者が無責任な慰めとして乱用したり、ミスをした本人が免罪符として使うと猛烈な拒絶反応を引き起こす」という二面性です。組織内において、プロセスを振り返らない形骸化したスローガンとして消費されるとき、この名言は逆効果をもたらします。