主人公は、ただ患者を救うだけの聖人君子ではない。冷徹な計算のもと、時に法に触れる手段すら厭わず病巣を切り裂くその姿は、まさに現代に現れたダークヒーローだ。生かす価値のない悪人だろうと、巨額の報酬と引き換えに完璧な手技で救い出す。一方で、病院組織の腐敗を容赦なく暴き立て、既得権益にすがる権力者を冷淡に失脚させていく。
彼がメスを執る理由は何なのか。卓越した技術を持つ天才外科医でありながら、なぜ彼は医療界の表舞台を捨て、修羅の道を歩むことを選んだのか。物語が進むにつれて明かされる過去の悲劇とトラウマは、視聴者の善悪の価値観を激しく揺さぶる。善意だけで人は救えないという残酷な現実を、この男の鋭い眼光が雄弁に物語っている。