日本のテレビドキュメンタリー史において、彼が果たした役割の大きさは計り知れない。数々の大型企画やNHKスペシャルにおいて、平賀は過酷な高所撮影のキーパーソンとして世界各地の名峰へ赴いた。ヒマラヤの巨峰や未踏の断崖絶壁に挑む冒険家たちの姿を至近距離で捉えた映像は、茶の間の視聴者を釘付けにした。
彼が手掛けたドキュメンタリーの真骨頂は、劇的なドラマを作為的に演出するのではなく、剥き出しの自然現象と人間の心理の揺らぎをありのままにすくい上げる点にあった。NHKの制作現場において、過酷な高所ロケを成立させる彼の冷静な状況判断と圧倒的な撮影センスは、国内外のディレクターたちから絶大な信頼を集めていた。