剰余の定理とは?代入だけで余りが出る理由と2次式の解法を徹底解説に関する気になる情報を徹底的にまとめました。要点を確実におさえることができます。

整式の割り算をするとき、通常であれば筆算を使って何段階もの引き算を繰り返さなければなりません。しかし、剰余の定理の公式を用いれば、たった一行の代入計算で余りが姿を現します。まずはその定義を改めて確認してみましょう。

【剰余の定理の公式】
整式 $P(x)$ を1次式 $x - \alpha$ で割ったときの余りを $R$ とすると、次が成り立つ。
$$R = P(\alpha)$$
また、1次式 $ax + b$ で割ったときの余りは $P\left(-\frac{b}{a}\right)$ となる。

なぜ文字に特定の数値を代入するだけで、割り算の結果得られるはずの余りが手に入るのでしょうか。なぜ代入するのか理由の核心は、割り算を「等式(恒等式)」の形へ書き換える発想にあります。

小学校で学んだ割り算の確かめ算を思い出してください。「(割られる数)=(割る数)×(商)+(余り)」という関係式は、高校数学の多項式でもまったく同じように成立します。整式 $P(x)$ を $x - \alpha$ で割ったときの商を $Q(x)$、余りを定数 $R$ とおくと、次の関係式が書けます。

$$P(x) = (x - \alpha)Q(x) + R$$

この式は、$x$ にどんな実数や複素数を代入しても常に成り立つ「恒等式の性質と余り」の関係を表しています。ここで誰もが知りたい目的は「余り $R$」の正体です。しかし、商である $Q(x)$ は複雑な多項式であり、直接求めるには長大な計算が必要です。

そこで数学者は、商 $Q(x)$ に掛けられている $(x - \alpha)$ に着目しました。もし $x = \alpha$ を代入すれば、$( \alpha - \alpha ) = 0$ となり、未知の商 $Q(x)$ が何次式であろうと、項全体がゼロとなって消滅します。

$$P(\alpha) = (\alpha - \alpha)Q(\alpha) + R = 0 \cdot Q(\alpha) + R = R$$

「知りたくない邪魔な商を一瞬でゼロにして消し去るために、割る式がゼロになる数値を代入する」――これが、代入だけで余りが求まる数学的な必然性であり、エレガントな仕掛けの全貌です。