現在でこそ華々しい活躍を見せる津田健次郎ですが、その原点は極めて泥臭い演劇の現場にありました。1971年6月11日生まれ、大阪府出身の彼は、明治大学文学部文学科演劇学専攻に進学し、青年座研究所などを経て舞台の世界へ飛び込みます。
20代の多くは「役者一本では全く生活が成り立たない」過酷な下積み生活でした。当時の特番インタビューや本人の手記でも語られている通り、水道代すら払えず、100円の菓子パンで命をつなぐ日々が長く続いたと明かされています。芝居への情熱と現実のギャップに苛まれながらも、オーディションを受け続ける日々の中で掴み取ったのが声優としての道でした。
映画監督を目指していたバックボーンも手伝い、彼は単に台本を読むのではなく「映像全体の空気感やカット割りの中で、声という素材をどう配置すべきか」を常に客観的に分析。この演出家的・映画的な視点が、後に声優としても実写俳優としても独自の輝きを放つ土台となったのです。