ドラマ『イケパラ』において、生田斗真さん演じる中津秀一が視聴者に与えた衝撃は計り知れません。芦屋瑞稀(堀北真希さん)が女性であることを知らず、男子生徒としての彼女に惹かれていく自分に対し、「まさか俺はそっちの気があるのか!?」と激しく葛藤する一人芝居――通称「中津劇場」は、本作の最大のキラーコンテンツとなりました。
自問自答を繰り返しながら教室や廊下を転げ回り、高速のモノローグとともにテンポ良く展開するこのシークエンスは、生田さんの卓越したリズム感と身体表現があってこそ成立した至芸です。コミカルでありながら、根底にあるのは瑞稀に対するどこまでも真っ直ぐで嘘のない愛情でした。
「俺はホモじゃねえ!」「あいつは、あいつなんだ!」と悩み抜いた末に瑞稀への好意を受け止め、やがて彼女が女子だと知った後も決して強引に迫ることなく、佐野泉(小栗旬さん)との恋を不器用に応援する姿は、視聴者の心を揺さぶりました。「いい奴すぎる」「切なすぎる二番手」として、主人公と結ばれない立ち位置でありながら、ヒロイン以上の共感と支持を集めたのです。
劇中で流れるORANGE RANGEの主題歌『イケナイ太陽』や、大塚愛さんによる挿入歌『PEACH』のキャッチーなメロディとともに、中津が全力でグラウンドを駆け抜ける姿は、今なお色褪せない青春の象徴として記憶されています。