SNSや当事者コミュニティの検証を行うと、「薬が原因なら、今すぐ飲むのをやめれば治るはずだ」と思い込み、独断で抗精神病薬の服用を急激に中止してしまうケースが後を絶ちません。しかし、この自己判断こそが最も回避すべき危険な罠です。
ドパミン受容体をブロックしていた薬が突然体内から消失すると、過敏化した受容体に内因性ドパミンが一気に結合します。その結果、「離脱性ジスキネジア(リバウンド現象)」と呼ばれる爆発的な不随意運動の激化が引き起こされ、元々の精神疾患の急性再燃と合わさって重篤なパニック状態に陥るリスクがあります。
一方で、医療現場で「症状が治った人・劇的に改善した人」の共通点を取材・分析すると、以下の3つのプロセスを確実に踏んでいることが浮き彫りになります。
- 主治医とのオープンな対話:勝手に服薬量を変更せず、AIMS(異常不随意運動評価尺度)を用いた客観的な症状評価を定期的に受けている。
- 緩徐な薬剤調整:原因薬の減量や、錐体外路症状のリスクが比較的低い第2世代抗精神病薬(SGA)への段階的なスイッチングを数ヶ月〜年単位で慎重に進めている。
- ジスバルの的確な併用:原疾患の治療を破綻させない安全域を確保した上で、VMAT2阻害薬を適切なタイミングで導入している。