ネット上の相談窓口やSNSでは、「どのくらいの大きさなら病院に行くべきか」という疑問が常に飛び交っています。婦人科の臨床現場において、明確なボーダーラインとして設定されているのが「500円玉(直径約2.6cm)」という客観的基準です。
小豆大や1円玉程度の小さな塊が、経血量の多い生理2日目などに一時的に混じる程度であれば、ホルモンバランスの乱れなどによる一時的な現象として経過観察できる場合もあります。しかし、以下のような兆候が1つでも当てはまる場合は、医学的に「過多月経」と診断される可能性が高く、速やかな専門医への相談が求められます。
- 直径2.5cm(500円玉サイズ)以上の血の塊が複数回排出される
- 昼用のナプキンが1〜2時間持たず、日中でも夜用やショーツ型ナプキンが手放せない
- 就寝中に夜用ナプキンとタンポンを併用してもシーツを汚してしまう
- 立ち上がった瞬間にドッと大量に経血が流れ出る感覚が一日中続く
- 階段の上り下りでの息切れ、日常的な立ちくらみ、慢性的な倦怠感がある
特に見落とされやすいのが、鉄欠乏性貧血に伴う立ちくらみや息切れです。経血とともに大量の赤血球(ヘモグロビン)が失われると、脳や全身に酸素が十分に行き渡らなくなります。「最近疲れやすいのは仕事が忙しいせいだ」と思い込んで内科を受診したところ、重度の貧血を指摘され、原因を突き詰めたら子宮の疾患だったというケースは日常茶飯事です。塊の大きさが500円玉を超えている時点で、自己判断による様子見は避けるべき段階に達しています。