生活残業がもたらす最大の害悪は、組織内の公平性を破壊し、真面目に働く社員のモチベーションを根底から砕く点にあります。限られた時間内に集中して業務を終わらせ、定時に退社する優秀な社員よりも、非効率にダラダラと残っている社員の方が多くの給与を手にする現実は、職場の士気を著しく低下させます。
周囲への迷惑は感情面にとどまりません。残業代稼ぎのためにデスクに残っている社員がいることで、若手や周囲のメンバーが「先に帰りづらい」という無言の同調圧力を受ける事例が後を絶ちません。また、生活残業者が担当する業務の進捗が不透明なため、チーム全体のプロジェクト計画に遅延が生じるなど、業務効率化と生産性向上を阻む最大の障壁となります。
「要領よくサボって残業代を稼ぐ者が得をし、効率的に仕事をこなす者が損をする」という歪んだ職場環境に愛想を尽かし、優秀な人材から順に流出していく事態は、企業にとって計り知れない損失です。