国内市場を牽引する二大巨頭、オカモト株式会社と相模ゴム工業株式会社のライバル関係は、製品開発のみならず広告表現の進化をも強力にドライブしてきた。その火花が最も激しく散ったのが、世界最薄水準を誇る「0.01ミリ」の攻防戦だ。
相模ゴム工業が「サガミオリジナル0.01」で先鞭をつけると、オカモトも「オカモト ゼロワン」を投入して真っ向から追随。両社は薄さという技術革新の価値を伝えるため、まったく異なるクリエイティブ戦略を展開した。一方が人間関係の機微やユーモアを交えた情緒的なアプローチを追求すれば、もう一方は日本のものづくり精神や素材のハイテクノロジー感を前面に押し出す。このハイレベルな広告合戦が、製品に対するネガティブな恥じらいの意識を、プレミアムな機能美への関心へと塗り替えていった。