歴史を振り返ると、神戸は日本の西洋菓子文化の発展を牽引してきた街だ。その激しい洋菓子製造業の競争下において、トーラク株式会社が1993年に「神戸プリン」を世に送り出した歴史は、まさに市場構造を変革する挑戦だった。当時、日持ちのする常温プリンといえば缶詰に入った固いゼリー状のものが大半であり、本格的な洋菓子店の味をお土産として持ち帰ることは不可能とされていた。
トーラクは長年の研究開発により、絹のように滑らかな口当たりとフルーティーな香りを両立させ、一躍ご当地スイーツの代名詞へと昇華させた。日持ちの良さと洗練されたデザインは、観光客やビジネス客の贈答ニーズを完璧に捉え、現在に至るまで地域の経済を支える巨大ブランドとして君臨している。