政治的狂騒曲が一段落した今、真に避けて通れない試練が「鉄鋼の脱炭素化(グリーン化)」だ。高炉から電炉へのシフト、さらには水素還元製鉄という未踏の技術開発には、数千億円規模の資金と高度な技術革新が不可欠となる。
欧州が国境炭素調整措置(CBAM)を本格運用し、環境規制の網を強める中、旧態依然とした高炉依存の生産体制のままではグローバル市場から締め出されかねない。日本側が誇る超ハイグレードな自動車用鋼板の技術や最先端の省エネ高炉ノウハウをいかに現地工場へと移植できるか。現場では今、CO2排出量を大幅に削減しながら高品質な鋼材を量産するという、極めて難度の高い技術移転が突貫工事で進められている。