インターネット上で「社会保険労務士 食えない理由」を検索すると、絶望的な見解が数多くヒットします。かつて事務所経営の屋台骨であった労働社会保険諸法令に基づく申請書作成や帳簿書類作成(1号・2号業務)の単価下落が背景にあります。行政手続きのオンライン化(e-Gov)や民間の人事労務クラウドの爆発的普及によって、中小企業でも入退社手続きや給与計算をワンクリックで内製化できるようになりました。
「月額数万円を払って書類作成だけを外注する時代は完全に終わった」と、都内で中堅IT企業を経営する役員は語ります。企業のコスト削減意識が高まるなか、単純な手続き代行を主軸に据える事務所は容赦ない値下げ圧力に晒されています。新規で開業したものの社労士 顧問契約 取れないという状況に陥る新人が後を絶たないのは、クライアント企業側が求める価値が根本から変わった事実を認識できていない点にあります。
営業経験のないまま資格を取得した脱サラ組が、事務所の看板を掲げて電話を待つだけの「待ちの営業」に終始してしまう構造的欠陥も見逃せません。民間企業同士のビジネス競争である以上、知名度も人脈もない新人が単に「国家資格を持っています」と名乗ったところで、経営者から顧問契約を勝ち取るのは不可能です。結果として依頼が一件も入らず、運転資金が枯渇して撤退を余儀なくされるケースが「仕事がない」という言説を強固にしています。