俳優ディーン・フジオカが体現した五代像は、ハマリ役という言葉だけでは語り尽くせない奇跡的なハマり方を見せた。国際的なバックグラウンドを持ち、多言語を自在に操る彼の佇まいは、英国留学を経てグローバルな視点で日本を見据えていた五代友厚の生の実像と見事に共鳴していたのだ。
さらに異例だったのは、大河ドラマ『青天を衝け』において同人物役で再び起用された点である。同じ俳優が異なる作品で再び同一の歴史人物を演じるという快挙は、視聴者の強い要望と制作者側の絶大な信頼が結実した結果と言える。二度目の登場では、若き日の情熱だけでなく、晩年の苦悩や成熟した政治力までも見事に表現し、役柄への深い敬意を感じさせた。