無類の特撮ファンとしても知られる佐野が、満を持して参加したのが1999年の『ゴジラ2000 ミレニアム』だ。危機管理情報局(CCI)の宮坂官房次長役として、怪獣と対峙するリアリティをスクリーンに定着させた。
巨大な虚構が暴れ回る特撮映画において、作品の説得力を左右するのは人間の側の演技である。怪獣への畏怖と科学的知性を併せ持つ人物像を細部まで緻密に作り込み、特撮というジャンルが持つ本質的な面白さを引き出した。
幼少期からの深い偏愛と造詣に裏打ちされた敬意があるからこそ、虚構の世界に嘘のない重みをもたらすことができる。特撮カルチャーに対する深い理解者としての矜持が、作品の隅々に息づいている。