ネット上の工作動画では見栄えを重視するあまり、安全管理や物理的なリアリティが軽視されているケースが散見されます。代表的な誤解が、「強力な太い輪ゴムを使えば威力が増して面白くなる」という短絡的な思考です。
実際には、割り箸や段ボールの骨組みに対して強力すぎるゴムを張ると、トリガーを引く前に本体が歪んで照準が狂うだけでなく、割り箸の先端がパキッと折れて破片が飛び散る重大な事故につながりかねません。日本煙火協会などの安全啓発資料でも指摘されている通り、簡易遊戯具における最大の危険因子は「想定外の破断」です。威力を上げたい場合は、輪ゴムの太さを変えるのではなく、射的手作り段ボールの銃身を二重構造にして剛性を高めた上で、標準的な16番サイズの輪ゴムを2本平行に張る「ツインスプリング方式」を採用するのが工学的に正しいアプローチです。
さらに、射的手作り的アイデアとして広く拡散されている「ペットボトルキャップを重りにする手法」にも注意が必要です。キャップが輪ゴムの衝撃で跳ね返り、プレイヤーの目元に直撃するリスクが存在します。的の安定感を微調整する際は、危険な硬質プラスチックではなく、底面に幅広のマスキングテープを輪っかにして貼り、粘着力を手のひらで軽く落とした状態で接地させる「微弱固定」が最も安全かつ倒れやすいベストプラクティスです。