赤城乳業といえば、誰もが知る国民的氷菓ガリガリ君の生みの親だ。「遊び心」と「確かな技術力」を両輪に数々のヒット作を世に送り出してきた同社だが、このソフの開発ストーリーもまた、常識に対する強烈なアンチテーゼから始まっている。
かつて開発の現場で「ソフトクリームの上の部分だけを心ゆくまで食べたい」という誰もが抱くささやかな願望が議題に上がった際、社内でもその実現性を巡って議論が交わされた。専務取締役を務めた井上秀樹氏をはじめとする首脳陣や開発チームは、コーンを排して中身だけで勝負するというリスクを恐れず、むしろ「カップアイスとしての究極のソフト体験」を形にすることを選んだ。
氷菓で培った温度管理や原料配合のノウハウを惜しみなく注ぎ込み、形崩れを防ぎながらも柔らかさを保つ特殊な充填技術を確立。こうして生まれた異端児は、瞬く間に冷菓棚の主役へと上り詰めたのである。