卵の寿命は、家庭での保存環境に大きく左右されます。購入後すぐにパックのまま、あるいは尖った方を下にして冷蔵庫(10℃以下)の奥側で保存するのが鉄則です。ドアポケットは開閉時の振動で卵黄膜が破れやすく、温度変化に晒されやすいため、鮮度維持の観点からは推奨されません。
また、多くの人が勘違いしやすいのが「加熱したゆで卵のほうが生卵より日持ちする」という思い込みです。実は、ゆで卵の日持ちは期限切れ生卵よりも圧倒的に短いという落とし穴があります。
生の卵白には「リゾチーム」という強力な抗菌酵素が含まれており、外部からの雑菌侵入を防いでいます。しかし、加熱調理によってゆで卵になるとリゾチームが熱変性して失活し、防衛機能を失ってしまいます。殻付きの固ゆで卵であっても冷蔵保存で3〜4日以内、殻を剥いた状態やヒビが入ったものは当日中〜翌日中に食べ切らなければなりません。賞味期限が近いからといってまとめてゆで卵にして放置するのは、かえって食中毒リスクを高める行為です。