上司や取引先に対して「了解しました」が失礼とされる直接的な理由は、「了解」という単語が持つ“許可・承認”の上から目線な響きにあります。部下が上司に対して「あなたの指示を認めてあげました」というニュアンスで受け取られかねないためです。
一方で、近年のビジネス界隈では「了解道徳」と呼ばれる議論も注目を集めています。「了解道徳」とは、かつては軍隊や無線用語、一般的なビジネス連絡で広く使われていた「了解」が、2000年代以降のマナー本などをきっかけに「目上に使ってはならない禁忌」として過剰にマナー化された現象を指す言葉です。
言葉の歴史的変遷を辿れば「了解しました」が完全に誤りとは言い切れない側面もあります。しかし、現代のビジネスマナーにおいて「了解=失礼」と捉える役職者や取引先が一定数存在する以上、あえてその言葉を選んでリスクを冒す合理的理由はありません。ビジネスの現場では、相手を不快にさせない安全な選択肢として「承知しました」を選ぶのがスマートな振る舞いです。