北海道空知郡上富良野町に位置する「ジェットコースターの路」は、地元では「西11線町道」と呼ばれる延長約4kmの町道です。その最大の特徴は、見渡す限り一直線に伸びるアスファルトが、丘陵地帯の地形そのままに激しく波打っている点にあります。高低差は約100mにも達し、坂の頂上に立つと次の下り坂が見えなくなるほどの落差が生み出す視覚的イリュージョンは、まさに遊園地のジェットコースターを彷彿とさせます。
この特異な道路景観が生まれた背景には、北海道開拓期における「殖民区画」の歴史が存在します。明治期、原生林を切り拓いて農地を造成する際、地形の起伏に関わらず碁盤の目状に直線道路を敷設したため、自然のうねりと人工の直線が融合した特異なランドスケープが形成されました。上富良野町が選定する「かみふらの八景」の一つにも数えられており、両脇に広がるパッチワーク状の田園風景と、東側にそびえる十勝岳連峰の雄姿が一体となったダイナミックな景観は、訪れる人々に圧倒的な開放感を与えています。