世界を相手にしのぎを削っていた現役時代、二人の接点は雪山という共通の主戦場にあった。女子フリースタイルスキー・モーグルの第一人者として国民的スターだった上村愛子と、男子アルペンスキー回転種目で日本人として40年ぶりの5位入賞という快挙を成し遂げた皆川賢太郎。同じスキー競技でありながら分野は異なっていたが、過酷なトレーニングや海外転戦の苦労を共有できる稀有な存在として、自然と心の距離を縮めていった。
2009年の結婚発表時、日本のスポーツ界は祝福の渦に包まれた。世界のトップレベルで戦う厳しさを誰よりも理解し合える二人だからこそ、互いの競技生活を深く尊重し、励まし合う姿が強い印象を残したのである。