山陽特殊製鋼の最大の強みは、「高クリーン特殊鋼」と呼ばれる極めて不純物の少ない高精度な鉄づくりにあります。なかでも、あらゆる回転運動の摩擦を減らす部品に用いられる軸受鋼(ベアリング用鋼)分野では国内トップシェア、世界でも首位級の地位を確立しています。
自動車、新幹線、航空機、風力発電機、産業用ロボットに至るまで、同社のベアリング鋼なしには現代の精密機械産業は成立しません。スウェーデンの特殊鋼大手オバコ(OVAKO)を傘下に収めたことで、欧州市場の獲得とグリーン鋼材(CO2フリー熱処理技術など)の展開を加速させています。
投資家目線における業績と株価動向も見逃せません。鉄鋼業界特有のシクロジカル(景気循環)銘柄であるため、自動車生産台数の変動や中国発の鋼材市況の影響を受けやすい側面はあります。しかし、株主還元姿勢は強固であり、安定した配当性向を維持。配当利回り3.5%〜4.5%前後の高配当水準を付ける局面も多く、バリュー株投資家からの底堅い支持を集めています。