着実に実力を蓄えた山下は、国内有数の登竜門である「第14回日本クラシック音楽コンクール」に挑んだ。全国から集う気鋭の若手奏者がしのぎを削るなか、全国大会木管楽器部門で見事に4位(上位該当)を獲得する。
審査員からは、ブレのない正確なピッチ感、フレーズの語り口の巧みさ、そしてサクソフォーン本来の美しい音色が高く評価された。このコンクールでの実績は、プロフェッショナルな奏者として立つための決定的な自信となった。
ブルガリアの地で響かせた東欧オーケストラとのアンサンブル
山下のキャリアにおいて特筆すべき出来事の一つが、ブルガリア国立ソフィアフィルハーモニー管弦楽団との共演である。東欧の名門オーケストラが奏でる重厚な弦楽器の響きと、山下のソリストとしての澄んだサクソフォーンの音がヨーロッパのホールに交錯した。
言語や文化の壁を超え、ひとつの音楽作品を作り上げる体験。コンチェルトのソリストとしてステージ中央に立ち、オーケストラ全体の音圧を背中に受けながらソロを歌い上げる快感は、彼の音楽的視野を世界規模へと一気に広げることとなった。