山下達郎がテレビ出演を固辞し、ライブハウスやホールでの生の演奏空間と職人技のようなレコーディング作業を何よりも尊重するスタンスは、デビューから半世紀が経過しようとする現在も全くブレることがない。この硬派な職人魂こそが、結果として家族のプライベートを完全に守る頑丈な防壁となってきた。
情報が瞬時に拡散し過剰な露出が当たり前となった現代社会において、安易なプライベートの切り売りを一切拒む姿勢は、かえって彼らの音楽の価値を高めている。ファンが触れるべきは「生み出された楽曲そのもの」であり、それ以上のプライベートを過剰に追わないという節度ある距離感こそが、長年にわたる揺るぎない信頼関係の源泉となっている。