長年続いた『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで』において、彼が番組を去るのではないかという「卒業説」は度々メディアやSNSを賑わせてきた。特に年末の風物詩であった『絶対に笑ってはいけないシリーズ』の放送休止や、高座での活動頻度が高まるにつれ、視聴者の間では「完全にテレビを卒業して落語一本に絞るのでは」との懸念が広がった経緯がある。
だが、その裏にあったのは単純な番組降板や引退ではない。バラエティ番組で見せる爆発的なリアクション芸と、高座で一人何役も演じ分ける繊細な芸風。その二軸を並行させることへの葛藤と、年齢を重ねる中で芽生えた表現者としての危機感が、彼の表現スタイルを大きく変化させていったのだ。テレビから姿を消したわけではなく、自らの表現の場をより深く、より広大な領域へと拡張させた結果と言える。