暴力団社会において、組長と若頭の関係は「親と子」であると同時に「君主と宰相」に例えられます。山口組の基本構造において、組長は絶対的な親分として君臨しますが、日常的な組織の差配や直参(直系組長)への指揮命令はすべて若頭を経由して下達されます。
若頭に集中する主な権限は、以下の通り極めて強力です。
- 人事権の掌握:直系組長の昇格・降格、役職の任命、破門・絶縁などの処分権案を作成・執行する。
- 上納金(会費)と資金統制:全国の傘下組織から集まる資金の流れを管理し、組織の経済基盤を差配する。
- 賞罰の決定と規律維持:抗争時の功績に対する報奨や、組の掟に背いた者へのペナルティを厳格に執行する。
六代目山口組の組織図を見れば、若頭の下に舎弟頭、総本部長、そして実務部隊の長である複数の若頭補佐が配置され、完全に若頭を中心としたピラミッド型の指揮系統が敷かれていることが分かります。組長が長期不在となった場合でも組織が揺らがないのは、若頭が事実上の最高執行責任者として全機能を代行できるシステムが完成しているためです。