1996年春、ひとつのドラマが「月曜日の夜は街から女性たちが消える」と言われる社会現象を引き起こした。フジテレビ系月9枠で放送された『ロングバケーション』である。山口智子が演じた落ち目のモデル・葉山南と、木村拓哉演じる売れないピアニスト・瀬名秀俊が繰り広げる不器用な同居生活は、日本中を熱狂させた。
二人の掛け合いは、台本を超えたリアルな即興劇のように自然で軽妙だった。木村拓哉が醸し出す繊細さと、山口の破天荒でありながら深い包容力。この最高の化学反応こそが、最高視聴率36.7%という伝説的な記録を打ち立てた最大の要因である。
マンションの3階から落ちてくるスーパーボールをキャッチする有名な名シーンをはじめ、劇中の名場面は今も色褪せない。この作品を経て彼女は一線を退く形となるが、若い頃の女優キャリアの集大成として、日本ドラマ史に不動の金字塔を打ち建てた。