百恵の幼少期は、父親が医者という裕福なステータスとは完全に無縁の生活でした。内職やパートを掛け持ちして昼夜を問わず働き詰めだった母・正子さんの背中を見て育った百恵は、「早く自立して母を楽にさせたい」という一心で育ちます。
1972年、中学2年生のときにオーディション番組『スター誕生!』に出場して準優勝を果たし、芸能界への切符を掴み取った背景には、純粋な憧れ以上に家族を経済的困窮から救い出したいという切実な願いがありました。
1973年に『としごろ』で歌手デビューを果たすと、瞬く間にトップアイドルの座へと駆け上がっていきます。しかし、その輝かしい成功の光が強くなればなるほど、幼少期に自分たちを見捨てた実父の影が忍び寄ることになります。