「メロリンQ」という強烈なフレーズに、論理的な意味や深遠な元ネタが存在するのかという疑問は、当時から現在に至るまで多くの視聴者が抱き続けてきました。当時の番組映像や本人の回想録を紐解くと、そこに明確な言語的由来や先行作品のパロディはなく、「16歳の少年が放った直感的な語感と圧倒的なエネルギーの結晶」であったことが分かります。
1990年、日本テレビ系『天才・たけしの元気が出るテレビ!!』の名物コーナー「高校生制服対抗ダンス甲子園」に出場した山本太郎氏は、箕面自由学園高等学校の1年生でした。正統派ストリートダンスで魅せる実力派チーム「LL BROTHERS」や「IMPERIAL」が圧倒的な人気を博す中、山本氏はダンス技術ではなく、「見る者の度肝を抜くキャラクターと肉体美」という完全に異なるアプローチで勝負を挑みました。
当時、全日本女子プロレスでヒールとして社会現象を起こしていたアジャコング選手にインスパイアされた片目周りの黒塗りメイクを施し、競泳用水着(ブーメランパンツ)にベビーオイルをテカテカに塗った肉体で登場。「アジャコングのお兄ちゃん」を自称しながら、カメラに向かって胸筋をピクつかせ、腰を激しく振りながら「メロリンQ〜!」と叫ぶパフォーマンスは、当時のテレビ界に凄まじい破壊力をもたらしました。
言葉の意味を問われた際にも、本人は特定の意味を持たせない「ナンセンスギャグの勢い」であることを明かしています。意味がないからこそ記号として純化され、視聴者の脳裏に強烈に焼きつくこととなりました。