山本彩のビジュアル史を語るうえで、集英社から刊行された1stソロ写真集『さや神』の存在は外せない。南国・沖縄の強い日差しの下、健康的でありながらどこか神秘的な陰影を帯びた佇まいは、当時のグラビア界に鮮烈なパラダイムシフトをもたらした。少女特有の無邪気さと、すでに完成されつつあった均整の取れたボディライン。その鮮烈なコントラストが、読者の視線を釘付けにした。
そこから表現の深化を見せたのが、光文社より世に放たれた2nd写真集『SY』だ。世界的写真家レスリー・キーがメガホンを取り、過度な装飾を削ぎ落としたモノトーン基調のカットや大胆な構図に挑んだ意欲作である。アイドルという枠組みを自ら破壊するかのように、鍛錬を重ねた筋肉の陰影をアートの域まで昇華させた。彼女が見せた剥き出しの緊張感は、従来のアイドルファン層を軽々と超え、クリエイターたちをも唸らせた。