セリアの経営中枢を理解する上で欠かせないのが、創業者である河合宏光氏と現代表取締役社長の河合映治氏の存在です。岐阜県大垣市に本社を置く同社は、地方発のベンチャーから全国展開を果たす一大チェーンへと急成長を遂げました。
河合宏光氏の経歴を振り返ると、1987年に株式会社アクティブ(現セリア)を設立し、100円ショップ業界に革命をもたらした名将として知られます。従来の「安かろう悪かろう」というディスカウント業態から脱却し、業界に先駆けて全店舗へリアルタイムPOSシステムを導入。「売れ筋・死に筋」をデータで徹底管理する仕組みを築き上げ、高い粗利益率を叩き出すビジネスモデルを完成させました。
その強固な事業基盤を引き継いだのが河合映治社長です。映治氏はセリアの取締役、常務取締役、専務取締役などを歴任し、現場のオペレーションと財務戦略を熟知した上でトップに就任しました。映治体制に入ってからも、セルフレジの全店規模での展開やキャッシュレス決済の最適化、デザイン性の高いプライベートブランド商品の開発など、時代の変化に即した堅実な舵取りを継続しています。
有価証券報告書の「大株主の状況」を確認すると、河合宏光氏や河合映治氏の個人名義に加え、創業家の資産管理会社である有限会社河合興産などが筆頭株主として名を連ねています。セリアの時価総額と配当利回りから試算すると、創業家の保有資産は数百億円規模に達すると見られており、中部財界屈指の富裕層一族であることは間違いありません。しかし、その資産規模に反して派手な私生活の露出を一切避ける姿勢こそが、セリア創業家の美徳であり企業規律となっています。