『ETERNAL WIND〜ほほえみは光る風の中〜』の発売日は1991年2月5日。当時の森口博子は、デビュー曲『水の星へ愛をこめて』(『機動戦士Ζガンダム』OP)で注目を集めた後、バラエティアイドル(バラドル)として過密なスケジュールをこなす多忙な日々を送っていました。そうした中で舞い込んだのが、劇場版ガンダムの完全新作『機動戦士ガンダムF91』の主題歌オファーでした。
しかし、制作当初のプランは現在知られている形とは大きく異なっていました。当初、メイン主題歌(エンディングテーマ)として予定されていたのは、アップテンポで躍動感あふれる楽曲『君を見つめて -The time I'm seeing you-』でした。『ETERNAL WIND』はあくまで劇中イメージソングとしての位置づけだったのです。
当時の制作関係者やインタビュー記録によると、完成した音源を聴いた富野由悠季総監督が、重厚な人間ドラマと戦争の哀愁を描き出す映画のラストシーンには、静かな祈りと包容力に満ちた『ETERNAL WIND』こそがふさわしいと直感。劇的な配置転換を決断しました。結果として『君を見つめて』は劇中挿入歌となり、シングル盤のカップリングとして収録される運びとなったのです。この英断が、オリコンチャートで最高9位を記録し、ロングヒットへと繋がる決定打となりました。